親族が亡くなったらまず何をすべき?期日に追われないための初期手続きと急ぐべきケースを解説

家族や身近な親族が亡くなられた直後は、葬儀の準備や法要などに追われ、精神的にも慌ただしい時間が続きます。しかし、相続や行政に関する手続きには法律上の期限が設けられているものが多く、放置してしまうと不利益を被るリスクがあります。
今回は、親族が亡くなった直後に進めるべき初期手続きと、特に急いで行動しなければならない期限付きの手続きについて解説します。
1. 死亡直後から7日以内に行うべき初期手続き
親族が亡くなった際、最初に行わなければならないのは行政上の届出と葬儀の手配です。
- 死亡届の提出と死体火葬許可申請 医師から死亡診断書(事故死などの場合は死体検案書)を受け取り、死亡の事実を知った日から7日以内に市区町村役場へ死亡届を提出します。実務上は、死亡届の提出と同時に「死体火葬許可申請」を行い、火葬許可証の交付を受けます。通常、これらの手続きは葬儀社が代行ケースが多く見られます。
- 葬儀・火葬の手配 死亡後24時間は火葬を行うことができません。安置場所の確保や葬儀の日程調整、関係者への連絡を速やかに進めます。
2. 特に急いで行動しなければならない「4つの期限付き手続き」
相続に関する手続きの中には、期限を過ぎると重大な不利益につながるものが存在します。以下のスケジュールを把握し、優先して対応することが重要です。
① 【3ヶ月以内】相続放棄・限定承認(負の財産の調査)
被相続人に借金や連帯保証債務などのマイナスの財産(負債)がある場合、相続人は以下の選択ができます。
- 単純承認:すべての財産と負債を無条件で引き継ぐ。
- 相続放棄:最初から相続人でなかったものとして、財産も負債も一切引き継がない。
- 限定承認:プラスの財産の限度でマイナスの財産を弁済する。
相続放棄または限定承認を選択する場合、「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内(熟慮期間)」に家庭裁判所へ申述しなければなりません。この期間内に手続きを行わないと自動的に「単純承認」とみなされ、意図しない借金を背負う危険があります。財産の全貌が分からない場合は、速やかに信用情報の照会や書類調査を行い、必要に応じて家庭裁判所に熟慮期間の伸長を申し立てる必要があります。
② 【4ヶ月以内】被相続人の所得税の準確定申告
被相続人が個人事業主であった場合や、不動産収入・2,000万円を超える給与収入など確定申告が必要な状況であった場合、相続人は被相続人に代わって所得税の申告および納税を行わなければなりません。この手続きを「準確定申告」と呼び、相続開始を知った日の翌日から4ヶ月以内が申告期限となります。
③ 【10ヶ月以内】相続税の申告および納税
遺産の総額が基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)を超える場合、相続税の申告と納税が必要になります。期限は被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内です。原則として現金一括納付となるため、不動産など現金化に時間がかかる財産がある場合は、早めの財産評価と遺産分割協議が必要です。
④ 【3年以内】不動産の相続登記(所有権移転登記)
不動産を取得した相続人は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請することが義務付けられています。正当な理由なく怠った場合、過料の対象となる可能性があるため注意が必要です。
3. 手続きを円滑に進めるための「3つの下準備」
期限付きの手続きや遺産分割をトラブルなく進めるためには、早い段階で以下の基本調査を完了させておくことが大切です。
- 遺言書の捜索・確認 自筆証書遺言、公正証書遺言、法務局の保管制度などの有無を確認します。遺言書の有無によって、その後の遺産分割協議の必要性や手続きの流れが大きく変わります。
- 相続人の確定(戸籍謄本の収集) 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等を取り寄せ、法定相続人を漏れなく確定させます。
- 相続財産の調査と目録作成 名寄帳や登記事項証明書、預貯金の残高証明書、残高報告書などを収集し、プラスの財産・マイナスの財産の全体像を把握します。
4. まとめ
親族が亡くなった後は、感情の整理がつかない中で多くの手続きをこなさなければなりません。特に「3ヶ月以内の相続放棄・限定承認」「4ヶ月以内の準確定申告」「10ヶ月以内の相続税申告」などは、遅れると大きな法的・金銭的リスクが生じるため、速やかな対応が求められます。
複雑な戸籍の収集や財産調査、相続手続きの進め方についてご不安な点がございましたら、当事務所までお気軽にご相談ください。
なお、相続税の申告など税務に関する手続きや税法上の取り扱いについての詳細な説明が必要な場合は、当事務所の提携税理士をご紹介し、当事務所と税理士が連携してサポートいたします。相続手続きを円滑に進められるよう、状況に応じて各分野の専門家と連携して対応いたしますので、どうぞ安心してご相談ください。
About
この記事について
- 公開日
- 2026.08.28
- 内容確認日
- 2026.08.13
- 監修
- 荒関誠人(行政書士・中小企業診断士)
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