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遺言書が見つかった際の手続きとは?適切な対応・検認の要否・名義変更までの流れを解説

遺言書が見つかった際の手続きとは?適切な対応・検認の要否・名義変更までの流れを解説

被相続人(亡くなった方)の遺品整理や片付けの際、自宅や金庫などから遺言書が発見されることがあります。

遺言書を発見した際は、法律で定められた手順に従って適切に取り扱うことが、その後の円滑な相続手続きや相続人間のトラブル防止において非常に重要となります。

今回は、遺言書が見つかった際に最初に行うべき対応や、家庭裁判所における「検認」手続きの要否、その後の名義変更までの流れについて解説します。

1. 遺言書を発見した際の最初の注意点(開封に関するルール)

自宅などで封がされた状態の遺言書を発見した場合、家庭裁判所において相続人またはその代理人の立ち合いがなければ、これを開封することができないと定められています(民法1004条3項)。

決められた手順で開封すべき理由

  • 過料(罰則)の定め 法律(民法1005条)により、過料に関する規定が置かれています。
  • 改ざんや隠匿の疑義を防ぐ 他の相続人から内容の書き換えや隠匿を疑われ、親族間の信頼関係に影響を及ぼすリスクを避けるためです。

封印のある遺言書を見つけた場合は開封せず、そのまま保管してしかるべき手続きへ進みます。

2. 遺言書の種類と「検認」の要否

遺言書が見つかった場合、その作成方法や保管状況によって必要な手続きが異なります。

最も大きな違いは、家庭裁判所による「検認(けんにん)」が必要かどうかという点です。検認とは、家庭裁判所において相続人の立会いのもと遺言書を開封し、その形状や日付、署名などの状態を確認して記録することで、後日の偽造・変造や隠匿を防止するための検証手続きです(※遺言内容の法的な有効・無効を判断する手続きではありません)。

遺言書の種類と検認の有無

遺言書の種類・保管状況

家庭裁判所の検認

手続きの進め方

自宅などで保管されていた自筆証書遺言

必要

家庭裁判所に申立てを行い、検認済証明書を取得する。

秘密証書遺言

必要

家庭裁判所に申立てを行い、検認手続きを受ける。

法務局で保管されていた自筆証書遺言(自筆証書遺言書保管制度)

不要

法務局で「遺言書情報証明書」の交付を受けて手続きに使用する。

公正証書遺言

不要

公証役場で作成・保管された正本や謄本を用いて手続きを進める。

自宅の引き出しや金庫などで発見された自筆証書遺言や秘密証書遺言は、家庭裁判所での検認手続きが必要です。

一方、法務局の保管制度を利用している自筆証書遺言や、公証役場で作成された公正証書遺言は、公的機関で安全に保管されており偽造や変造のリスクがないため、検認を受ける必要はありません。

3. 家庭裁判所における「検認手続き」の流れ

検認が必要な自筆証書遺言については、以下の手順で手続きを進めます。

ステップ1:申立てと必要書類の提出

被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対し、検認の申立てを行います。

  • 主な提出書類:家事審判申立書、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本、相続人全員の戸籍謄本など。

ステップ2:検認期日の通知

申立て受理後、家庭裁判所から相続人全員に対して検認を実施する期日が通知されます。※申立人以外の相続人の出席は任意とされており、全員が揃わなくても検認は行われます。

ステップ3:検認期日当日の実施

期日当日に申立人が遺言書を提出し、出席した相続人の立会いのもと、裁判官が遺言書の状態(日付、署名、押印、加除訂正の有無など)を確認して「検認調書」を作成します。

ステップ4:「検認済証明書」の取得

検認終了後、遺言書に「検認済証明書」を添付・消印してもらう申請を行います。不動産の相続登記や金融機関での名義変更手続きの際には、この検認済証明書が添付された遺言書が必要となります。

4. 検認終了後(または検認不要の場合)の相続手続き

検認手続きが完了した、あるいは検認不要な遺言書(公正証書遺言や法務局保管の遺言書)がある場合は、遺言の内容に沿って財産の承継手続きへ移ります。

  • 遺言執行者の有無の確認 遺言書の中で「遺言執行者(遺言内容を実現する者)」が指定されているか確認します。
  • 遺言執行者が指定されている場合 遺言執行者が就任通知や財産目録の作成を行い、単独で不動産の登記申請や預貯金の解約・名義変更を進めます。
  • 遺言執行者が指定されていない場合 相続人自身が共同で手続きを行うか、必要に応じて家庭裁判所へ遺言執行者の選任を申し立てます。

5. まとめ

遺言書が見つかった際は、まず冷静に保管状況や遺言書の種類を確認し、法的に定められた適切な順序で手続きを進めることが大切です。

特に自筆証書遺言の場合は、戸籍謄本の収集や家庭裁判所への申立てなど、一定の準備と時間を要します。

相続人調査や戸籍収集、遺言書に基づく名義変更手続きや遺産分割でお困りのことがございましたら、当事務所までお気軽にご相談ください。

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この記事について

公開日
2026.09.16
内容確認日
2026.09.16
監修
荒関誠人(行政書士・中小企業診断士)

参考文献・出典

  • 民法1004条3項/民法1005条

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