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遺産分割の4つの基本手法とは?現物・代償・換価・共有のメリットと注意点を解説

遺産分割の4つの基本手法とは?現物・代償・換価・共有のメリットと注意点を解説

被相続人(亡くなった方)の遺産を相続人間で分ける際、「不動産や預貯金、株式などをどのように分ければよいのか」とお悩みになるケースは少なくありません。

法律や実務上の遺産分割協議においては、遺産の性質や各相続人の希望・事情に応じて、主に4つの基本手法(現物分割、代償分割、換価分割、共有分割)から適切な分け方を選択します。

今回は、これら4つの基本手法の仕組みをはじめ、それぞれのメリット・デメリット、どのようなケースに適しているかについて解説します。

1. 原則的な分割方法「現物分割(げんぶつぶんかつ)」

概要

現物分割とは、遺産を構成する個々の財産(「自宅不動産は長男」「預貯金は長女」「株式は二男」など)の形状や性質を変えることなく、そのままの形で各相続人に割り振る方法です。裁判所の審判手続においても、原則的な分割手法とされています。

メリット

  • 財産を売却・換金するコストや手間がかかりません。
  • 財産を取得した相続人が、その後単独で自由に管理・処分することができます。

デメリット・注意点

  • 「価値の高い土地建物」と「少額の預貯金」のように個々の現物財産の評価額に偏りがある場合、法定相続分に応じた公平な分配を行うことが難しくなります。

2. 不動産をそのまま残せる「代償分割(だいしょうぶんかつ)」

概要

代償分割とは、特定の相続人が自宅不動産や自社株式などの現物財産を取得する代わりに、自身の固有財産(預貯金など)から他の相続人に対して不足分に相当する金銭(代償金)を支払う方法です。

メリット

  • 現物を細分化・売却することなく特定の相続人に受け継がせることができるため、住環境の維持や事業承継に役立ちます。
  • 代償金の支払いによって、相続人間における取得額の公平性を保つことができます。

デメリット・注意点

  • 現物を取得する相続人に十分な代償金の支払能力(資力)が備わっていなければ成立しません。
  • 分割払いなどを行う場合は不払いリスクへの配慮が必要となるほか、税務上の計算(譲渡所得税等の配慮)も検討しておく必要があります。

3. 公平に現金で分け合える「換価分割(かんかぶんかつ)」

概要

換価分割とは、遺産である不動産や有価証券などを第三者に売却して現金化し、売却費用を差し引いた残額を相続人間の持分に応じて分配する方法です。

メリット

  • 現金を数字で明確に分け合えるため、公平性を確保しやすい特徴があります。
  • 「誰も不動産を取得・管理したくない場合」や「代償金を支払える相続人がいない場合」に有効です。

デメリット・注意点

  • 売却・名義変更の手間や、仲介手数料・解体費用などのコストが発生します。
  • 不動産の売却に伴い、相続税とは別に譲渡所得税が課される場合があるため、事前の税金シミュレーションが重要となります。

4. 慎重な判断が求められる「共有分割(きょうゆうぶんかつ)」

概要

共有分割とは、個々の財産を特定の個人に帰属させず、民法上の共有持分(割合)を設定して相続人全員で共有保持し続ける方法です。

メリット

  • 一旦法定相続分などの割合で共有名義にするため、協議の段階で一時的な手間がかかりません。

デメリット・注意点

  • 共有状態にある不動産は、売却や改築、管理を行う際に共有者全員の同意が必要となり、利害対立が起きやすくなります。
  • 将来的に二次相続が発生すると権利関係がさらに細分化・複雑化し、トラブルが先送りになるリスクがあります。
  • 実務上や調停・審判においては、根本的な解決にならない「次善の策・最後の手段」と位置付けられています。

5. まとめ

遺産分割を行う際は、相続財産の種類(不動産、現金、株式など)や、各相続人の生活状況・資金力に合わせて、最もメリットが大きく将来のリスクが少ない分割方法を選択することが大切です。

誤った選択をしてしまうと、後々の人間関係の悪化や税金面での予期せぬ不利益につながることもあります。

遺産分割の手法の選択や遺産分割協議書の作成でお困りのことがございましたら、当事務所までお気軽にご相談ください。

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この記事について

公開日
2026.08.30
内容確認日
2026.08.30
監修
荒関誠人(行政書士・中小企業診断士)

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