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財産管理人の選任申立てにかかる期間と費用は?手続きの流れと必要書類を解説

相続手続きを進める中で、相続人の中に行方不明・生死不明の方がいる場合(不在者財産管理人)や、相続人が誰もいない場合(相続財産清算人)、または遺産の管理を巡ってトラブルが生じている場合(遺産管理人)などに、家庭裁判所へ「財産管理人」の選任申立てを行うことがあります。

財産管理人の選任には、どのくらいの期間と費用がかかり、どのような手順で進むのでしょうか。

今回は、相続手続きにおける財産管理人選任申立ての「期間の目安」「費用(実費や予納金)」「具体的な手続きの流れ」について分かりやすく解説します。

1. 財産管理人の選任申立てにかかる「期間」の目安

財産管理人の選任手続きは、申し立ててすぐに選任されるわけではありません。書類の準備から裁判所の審理、選任審判が出されるまでに全体で概ね2ヶ月〜4ヶ月程度の期間を見ておく必要があります。

具体的なタイムスケジュール感は以下の通りです。

① 申立ての事前準備期間(約1ヶ月〜2ヶ月)

家庭裁判所へ提出する戸籍謄本類(被相続人や不在者の戸籍・住民票など)の収集、不在の事実を証明する資料の収集、財産目録の作成などを行います。戸籍のさかのぼり調査や関係者の調査に時間を要するケースが多く見られます。

② 申立てから審判(決定)までの期間(約1ヶ月〜2ヶ月)

家庭裁判所に書類を提出した後、裁判官や調査官による提出書類の審査、申立人や候補者との面談、必要に応じた事実調査などが行われます。問題がなければ裁判所から選任の審判が出されます。

※なお、不在者財産管理人や相続財産清算人の場合、選任後にも権限外行為の許可(遺産分割協議への参加許可)を得る手続きや官報公告の期間が必要となるため、最終的な遺産分割や清算が完了するまでにはさらに数ヶ月〜1年以上の期間がかかることがあります。

2. 申立てにかかる「費用」の内訳

財産管理人の選任申立てには、「裁判所への納付実費」「予納金」、そして書類収集等の実費がかかります。

① 裁判所に納める基本実費

  • 申立手数料(収入印紙):対象者1人につき800円
  • 連絡用郵便切手代:数百円〜2,000円程度(管轄の家庭裁判所により異なります)
  • 官報公告料:不在者財産管理人や相続財産清算人の選任に伴う官報公告が必要な場合、数千円〜数万円程度の実費が必要です。

② 予納金(裁判所に預ける費用)

財産管理人に弁護士などの専門家が選任される場合、その管理人の報酬や管理費用に充てるため、家庭裁判所から「予納金(よのうきん)」の納付を求められることがあります。

  • 予納金の目安:事案や不在者の財産額によって異なりますが、数十万円〜100万円程度となるのが一般的です。
  • 予納金の負担者:原則として申立人が一時的に立て替えて納付します(※管理対象となる遺産の中から清算・返還できる場合もあります)。

③ 添付書類の発行費用

  • 戸籍謄本・除籍謄本・住民票・不動産登記事項証明書などの取得手数料として、合計で数千円〜1万円程度の実費がかかります。

3. 申立てから選任・職務開始までの手続きの流れ

財産管理人の選任手続きは、以下の4ステップで進みます。

ステップ1:事前調査と必要書類の収集

管轄の家庭裁判所に提出するための資料を揃えます。

  • 主な必要書類:
    • 家事審判申立書
    • 不在者・被相続人の戸籍謄本(全部事項証明書)および戸籍の附票・住民票
    • 不在の事実を証する資料(捜索願受理証明書や返送された手紙など)
    • 財産目録および財産に関する資料(不動産登記事項証明書、預金通帳のコピー、残高証明書など)
    • 財産管理人候補者の住民票

ステップ2:家庭裁判所への申立て

準備した書類を管轄の家庭裁判所に提出します。

  • 管轄の裁判所:
    • 不在者財産管理人 ➔ 不在者の従来の住所地・居所地を管轄する家庭裁判所
    • 相続財産清算人・遺言執行者等 ➔ 被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所

ステップ3:裁判所による審理と予納金の納付

家庭裁判所の担当者(家事調査官等)による書類審理や、申立人・候補者との面談が行われます。必要に応じて追加の資料提出や予納金の納付指示が出されます。

ステップ4:選任審判と財産管理人の職務開始

家庭裁判所が適任と認める人物(弁護士等の専門家や利害関係のない親族など)を財産管理人に選任する審判を下します。選任された財産管理人は、財産目録を作成し、裁判所の許可(権限外行為許可)を得た上で、遺産分割協議への参加や財産の保存・管理業務を開始します。

4. まとめ

財産管理人の選任申立ては、書類の収集から選任審判までに約2ヶ月〜4ヶ月の期間を要し、裁判所実費のほかに予納金(数十万円〜)の準備が必要となる場合があります。

相続手続きの期限(相続税申告など)が控えている場合は、早期に現状を把握し、申立ての準備に着手することが大切です。

相続人調査・戸籍収集や、家庭裁判所への申立書類の作成、遺産分割協議書の準備でお困りのことがございましたら、当事務所までお気軽にご相談ください。

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この記事について

公開日
2026.08.17
内容確認日
2026.08.17
監修
荒関誠人(行政書士・中小企業診断士)

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